キャッシュレス決済には、クレジットカードや電子マネー、QRコードなどいくつかの種類があります。飲食店で決済システムを導入する際には、それぞれの特徴やメリットを知っておく必要があるでしょう。キャッシュレス決済の種類や導入の注意点などをご紹介します。
カードを使うキャッシュレス決済3種類
キャッシュレス決済とは、現金を使わずに支払いを済ませる決済方法のことです。主にカードを使った決済方法と、スマートフォンを使った決済方法に分けられます。
カードを使った3つのキャッシュレス決済方法は、次のとおりです。
クレジットカード決済
デビットカード決済
ICカード決済
それぞれの決済方法の特徴を確認しておきましょう。
キャッシュレス決済をするメリットが気になる方は、以下の記事も参考にしてみてください。
キャッシュレス導入で事業者にもメリット!導入時の注意点も紹介
1.クレジットカード決済
クレジットカード決済は、国内外で幅広く利用が可能な決済方法です。クレジットカードを使って支払った金額は、その場ですぐに処理が完了するのではなく、後日銀行口座から引き落とされます。
クレジットカード決済は、店頭での支払いはもちろん、オンラインショッピングや各種料金の支払いにもよく利用される決済方法です。数あるキャッシュレス決済の中でも歴史が長く、さまざまなシーンで使えるのがクレジットカード決済の特徴といえるでしょう。
2.デビットカード決済
カードを使った決済方法の2つ目は、デビットカード決済です。デビットカードとクレジットカードの違いは、決済金額引き落としのタイミングです。
デビットカードは、支払い処理と同時に指定の銀行口座から支払い金額が引き落とされます。使いすぎを防ぐことができ、カード発行の際の審査も厳しくないため、学生でも安心して使えるのがデビットカードの特徴です。
3.ICカード決済
交通会社や商業施設が発行するカードを利用した決済を、ICカード決済といいます。ICカード決済には、発行元によって主に次の2つがあります。
交通系ICカード:各種鉄道会社発行、定期券としても使える
流通系ICカード:商業施設発行、提携店舗で割引サービスが受けられる
ICカードは、前もってお金をチャージするプリペイド式のカードが一般的です。クレジットカードやデビットカードとは違って、現金をチャージする手間が発生します。
しかし、普段は定期として使えたり、商業施設で割引が受けられたりといったICカードならではの利便性や特典があります。
スマートフォンを使うキャッシュレス決済2種類
スマートフォンを使ったキャッシュレス決済として、次の2つをご紹介します。
QRコード決済
スマートフォン決済
スマートフォンの普及率が高まっている現代では、常に携帯しているスマートフォンで支払いを済ませることのできる、スマートフォン決済の利用も増えているようです。
2種類のスマートフォン決済を詳しく解説します。
1.QRコード決済
QRコード決済とは、支払い用バーコードを利用して決済をする方法です。店舗にあるQRコードを利用者が読み取って支払いを進める「ユーザースキャン方式」と、利用者がスマ―トフォンにダウンロードしておいたコードを提示する「ストアスキャン方式」があります。
QRコード決済は事業者に加盟申請をし、店舗に読み取り用QRコードを準備すれば導入が済んでしまいます。専用の決済端末が必須なクレジットカードやデビットカード、ICカード決済と比べて初期費用を抑えられるのがメリットです。
2.スマートフォン決済
スマートフォン決済は、電子ウォレットに登録されたクレジットカードや電子マネーで支払いをします。利用に際しては電子ウォレットに登録し、利用したいクレジットカードや電子マネーの情報を連携させておく必要があります。
複数の決済方法を登録し、店舗によって支払い方法を使い分けることも可能です。支払いの際にはスマートフォンを読み取り端末にかざすだけで支払いが完了するため、利用者が財布やカードを携帯する手間が省けます。
決済方法ごとの利用率
ご紹介した4つのキャッシュレス決済のうち、利用率が高いのはクレジットカードです。普段の支払い方法を尋ねたアンケートの結果、現金の利用が85.4%であったのに対し、クレジットカードは現金とほぼ変わらない83.5%でした。
また、感染症対策として近年注目が高まっているキャッシュレス決済は、QRコードです。QRコードは、クレジットカードのようにカードのやり取りもなく、完全非接触で支払いを済ませられます。
キャッシュレス決済の利用率を詳しく解説します。
参照:三井住友カード株式会社ー「キャッシュレス決済に関する調査」のアンケート結果(2021年8月実施)
利用者が多い決済方法はクレジットカード
クレジットカード決済は、日本では1960年代から普及が始まり、キャッシュレス決済の中でも長い歴史を持った決済方法です。1964年に開催された東京オリンピック観戦目当ての訪日外国人の受け入れに際して、日本におけるクレジットカードの普及が急速に進みました。
クレジットカードは、買い物や海外旅行、公共料金の支払いなど、さまざまなシーンで利用されています。三井住友カードの調査において普段の支払い方法を尋ねた項目では、クレジットカードが現金に迫る勢いの利用率でした。
さらに、同調査の一番利用することが多い支払い方法として、現金(30.2%)を抑えて首位を獲得したのがクレジットカード(38.8%)です。クレジットカードの利用が多くの人の生活に定着していることがうかがえるでしょう。
参照:三井住友カード株式会社ー「キャッシュレス決済に関する調査」のアンケート結果(2021年8月実施)
コロナ下でQRコードの利用率が上昇中
長い期間をかけて利用者を増やしてきたクレジットカードに対して、近年利用率が急増しているのがQRコード決済です。QRコード決済の利用者のうち、2020年1月以降に利用を開始した人の割合は3割を超えています。
この結果から、新型コロナウイルスの感染防止対策として、支払いを非接触で済ませられるQRコード決済の注目が高まっている可能性が伺えます。
キャッシュレス決済導入における3つの注意点
キャッシュレス決済の利用率増加に伴い、利便性の高いキャッシュレス決済の導入を検討している店舗も多いはずです。そこで、キャッシュレス決済を導入する際に気を付けたい3つのポイントをご紹介します。
利用者層に合わせて検討する
システム導入費用を確認する
入金のタイミングを確認する
キャッシュレス決済は、導入費用や入金サイクルを確認したうえで、お店の利用者層を考慮して導入を決める必要があります。それぞれのポイントを詳しく解説します。
飲食店にフォーカスしたキャッシュレス決済情報は、以下の記事を参考にしてみてください。
1.利用者層に合わせて検討する
キャッシュレス決済は、人々の生活に定着し始めていますが、まだまだ現金以外の支払い方法の利用に不安を抱く消費者もいるのが現状です。海外主要各国でのキャッシュレス決済比率と比べても、日本のキャッシュレス化は成長段階だといえるでしょう。
消費者がキャッシュレス決済の利用に踏み切れない理由としては、セキュリティ面の不安が挙げられます。
店舗の利用者層と導入したキャッシュレス決済方法がマッチしていない場合は、せっかくシステムの導入や維持に投資したのに利用者が少なく、思ったような効果が得られないという状況になりかねません。
お店の状況をしっかりと把握し、まずは初期費用が抑えられるQRコード決済やコンタクトレス決済の導入を検討するのもおすすめです。コンタクトレス決済とは、店舗での金銭のやり取りが不要になる決済方法のことで、後ほど詳しく解説します。
2.システム導入費用を確認する
キャッシュレス決済を導入すると、初期費用のほかに月々継続して支払わなければならない維持費用、支払いごとに発生する決済手数料などがかかります。必要となる費用は、導入するサービスや業者によっても差がありますが、一般的な費用相場は次のとおりです。
特に専用の決済端末が必要となる場合は、初期費用が高くなる傾向があります。維持費用には、通信費用や端末の維持にかかる金額が含まれます。
さらに、決済手数料として決済金額の3%程度を店舗が支払う必要がある点を忘れないようにしましょう。
キャッシュレス決済の導入を決める際には、初期費用と維持費用、そして決済手数料を確認して業者や支払い手段を選ぶ必要があります。
3.入金のタイミングを確認する
現金払いとキャッシュレス決済では、店舗側での売上金の回収タイミングが異なります。現金払いでは、利用者が支払いを済ませてすぐに売上金を回収できます。
一方でキャッシュレス決済の場合は、売上金が店舗の銀行口座に振込完了するまでにはタイムラグがあるのが一般的です。毎月入金日が定められていたり、締め日の翌々月に振込されたりと、入金方法や時期も利用するキャッシュレス決済事業者によって差があります。
お店の宣伝や仕入れ用の費用を工面する際にも関わってくるため、無理のない店舗経営ができるように入金のタイミングを確認しておくことが重要です。
店頭会計不要の新たなキャッシュレス決済「コンタクトレス決済」の特徴
数あるキャッシュレス決済の種類や利用率、導入のポイントを紹介してきましたが、特に飲食店におすすめの決済方法は「コンタクトレス決済」です。
◆店頭でのお会計不要。VSコロナ時代の"お会計ニューノーマル" テーブルチェックの「コンタクトレス決済」
テーブルチェックが提供する「コンタクトレス決済」では、ユーザーが予約時にクレジットカード情報を事前に登録することで、店舗での支払いのやり取りが一切不要になる新たな決済方法です。領収書もオンラインで自動発行できるため、会計でお客様を待たせることもなくなります。カード情報を事前に登録いただくことで、いざという時のキャンセル対策にも。
そのほかにも、飲食店予約・顧客管理システムの中で高いシェアを誇るテーブルチェックを利用するメリットは次の2つです。
予約の管理が自動的かつ最適にできる
キャンセル対策を強化できる
それぞれのポイントをご紹介します。
店舗でのお金のやり取りが不要になる
コンタクトレス決済の特徴としてまず挙げられるのが、店舗でのお金のやり取りが不要になる点です。コンタクトレス決済では、顧客のクレジットカード情報を事前に登録することでシステム上での支払処理が完了するため、スタッフとの会計のやりとりを完全に省略できます。
混雑が発生しやすいレジ対応がなくなるため、顧客は気分よく食事をした後に順番待ちをするストレスから解放され、同時に運営側の負担も軽減できるでしょう。
コンタクトレス決済に必要なクレジットカード情報の登録は、顧客が予約時に行います。領収書もオンライン発行対応可能で、当日追加で料理を注文した場合は利用金額がまとめて請求されるなど、利便性の高い機能が備わったシステムです。
コロナ下で接触、混雑を回避できる新たな決済方法として、普及が進んでいます。お会計をスマートに済ませたいデートやビジネスなどの利用シーンで特に多く利用されています。最近では、イートイン、テイクアウトどちらもあるスイーツ店など、利用の幅も広がっています。
キャンセル対策を強化できる
飲食店経営で大きな問題となるのが、予約客の突然のキャンセルです。仕方のない事情があったとしても、せっかく準備した料理や食材が無駄になってしまうのは飲食店として避けたい事態でしょう。
キャンセル対策としても力を発揮するのが、テーブルチェックの「コンタクトレス決済」です。事前にクレジットカード情報の登録が済んでいるため、万が一の損失を防ぐことが可能です。
キャンセル対策は、お店が必要に応じて自由に内容を設定できるのがポイントです。「与信型」と「事前決済型」など、メニューごとに柔軟な設定が可能です。
また、リマインド機能を使って、顧客のうっかりミスを防止するのも忘れてはいけません。テーブルチェックを導入すれば、事前のリマインドは自動的にSNSやメールで行われます。万が一の際の損失対策の合わせ技でキャンセル被害を抑えることができます。
キャッシュレス決済の種類を見極めて導入を検討しよう
キャッシュレス決済は、主にカードを利用する決済方法とスマートフォンを利用する決済方法に大別できます。
決済に使われるカードは3種類で、クレジットカードとデビットカード、ICカードです。クレジットカードとデビットカードは、支払金額が引き落とされるタイミングが異なり、ICカードは一般的に現金をチャージして利用します。
スマートフォンを使って支払う決済方法は、QRコード決済と電子ウォレット決済の2つです。カードを使った決済方法とは違い、スマートフォンをかざすだけで支払いが完了するため、感染症対策としても期待が高まっています。
キャッシュレス決済の利用が進んでいる現在では、何らかのキャッシュレス決済導入を検討している飲食店も多いはずです。導入の前にシステムの導入費用や入金サイクルを確認し、お店のターゲット層に合ったキャッシュレス決済方法を検討してみましょう。
また、飲食店の場合はキャンセル対策や予約管理、データ活用といった複数のメリットがあるテーブルチェックの「コンタクトレス決済」を検討するのもおすすめです。
飲食店のキャッシュレス決済導入で確認しておきたい点をまとめた記事も参考にしてみてください。